こんにちは、かねだです。
今回は、奨学金の返還で生活が苦しい新卒社会人の皆さんに、おすすめの制度について話したいと思います。
奨学金の返済を待ってもらう
はじめに結論から言うと、まだ収入が低い新卒社会人のために、収入が増えるまで返還を待ってくれる「奨学金返還期限猶予」という制度があるよ。
この制度を活用することで
・新卒社会人で奨学金の返還をすると生活費が支払えない
・新卒で入社したい会社があるけど、給与が安くて諦めるしかない
・自己投資で知識や経験を積みたいけど奨学金の返還でお金が足りない
このような悩みを持っている人は、解決できるかもしれないよ。というお話です。
制度を受けるには、いくつか条件があるので、この後の説明を読んで、自分が概要するかどうか確かめてみて下さい。
返還期限猶予とは
それでは本題に入ります。
まず、日本学生支援機構は新卒社会人向けに「奨学金返還期限猶予」という制度を準備しています。
この制度は、奨学金の返還が難しい方向けに一定期間返還を待ってくれる制度なのですが
いろんな理由で「返還が難しい」状況があると思います。その中でも新卒社会人は比較的収入が低いことが多いので
この制度の対象になる可能性が高いです。
皆さんがこの制度を受けようと思うと下記の条件に該当するかどうかを確かめる必要があります。
【条件1】
これまでに奨学金返還の滞納がないこと
【条件2】
年間収入・年間所得が下記に該当すること
・給与所得者:年間収入金額(税込)300万円以下
・個人事業主:年間所得金額(必要経費等控除後)200万円以下
基本的には2つの条件に該当する必要がありますが、万が一滞納をしてしまっていても
滞納した期間の収入(所得)が条件2に該当する場合や、滞納後すぐに連絡をして状況を説明すれば
個別に相談に乗ってくれることもあるみたいなので
滞納してしまった場合にはすぐに日本学生支援機構に相談しましょう。
また、僕もこの制度のお世話になっているのですが
個人的に制度の条件を調べている中でなかなか理解が難しかったのが
青色申告の事業所得の場合、審査対象になる年間所得の考え方でした。
ここからは少しマニアックな話になるので、給与所得のみの方は、「その他気になった点」まで読み飛ばして下さいね。
個人事業主の青色申告の場合
事業所得とは
①売上から必要経費を引いて、事業所得を出します。
(売上ー経費=事業所得)
②そこから、青色申告の場合は、青色申告控除が65万円あります。
(事業所得ー青色申告控除=青色申告控除後の所得)
ここで問題なのは、条件2の個人事業主の年間所得金額は①の事業所得なのか
それとも②の青色申告控除後の所得なのかという部分です。
結論をいうと、②の青色申告控除後の所得をもとに200万円以下かどうかを審査するようです。
ということは、ざっくり月額22万円までの所得(この場合の所得は売上ー経費)の方なら条件に該当するということです。
ここは調べてもなかなか説明が出てこなかったので、個人事業主の方は参考にしてみて下さい。
所得・収入基準のまとめ
その他にも給与所得+事業所得の場合や、事業所得+その他所得の場合など
細かく分けるといろんなパターンがあるので全部の説明は書きませんが
ざっくり分けると下記の理解で十分だと思います。
・給与のみ:年間額面300万円(残業手当等なし)。月額額面25万円以下。
・事業所得のみ:青色申告控除後の年間所得200万円。月収22万円以下。
・複数の所得:年間の合計所得金額200万円以下。
ただし、制度の変更や条件の変更もありえるので
自分が該当するのか気になる方は、日本学生支援機構のHPで調べるか
電話で相談をしてみて下さい。
参考になった日本学生支援機構のHPのURLをいつくか記載しておきます。
【参考HP】
参考ページ
返還を待ってもらう(返還期限猶予)
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/index.html
収入・所得を確認する際の注意点
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/chui.html
その他気になった点
条件の他にも、「返還期限猶予」の制度自体について
個人的に気になった点をいくつかまとめて説明します。
・この制度を使うことで信用情報に傷がつかない?(クレジットカードや銀行口座作れなくなったりしない?)
A.信用情報に傷はつかない。
※滞納の場合には、その他の借金返済などと同じように信用情報に傷がつく可能性があるようです。
・合計の返還期間は短くならない?猶予してもらった分だけその後の毎月の返還額は増えない?
A.合計の返還期間は猶予してもらった分だけ長くなるので、返還額が増えることはない。
・猶予期間の利息はどうなる?
A.利息は発生しない。
・返済総額は増えない?
A.返還総額は変わらない。
まとめ
最後に、返還期限猶予制度にお世話になっている僕の個人的な考えとして
①奨学金を先延ばしにすることについての考え方
②僕自身の返還計画
この2つについて話して終わりにしたいと思います。
この制度だけではなく、借金やローンの先延ばしに関して
いろんな考え方があって、中には先延ばしには反対という意見もあります。
反対する方の意見を聞いてみると「確かにな」とか「計画的に借りなかった自分が悪いよな」とは
本当に正論ばかりで、毎回反省します。
ただ18歳の頃の僕は漠然と、志を持って大学を卒業すれば稼いですぐに奨学金なんて返せると本気で思っていました。
だから反省はしているけど、実際に社会に出てみないとリアルなことは分からないのも事実です。
そんな今、僕個人的には日本学生支援機構が救済制度を準備してくれているのだから
該当する人は迷うことなく利用した方がいいと思います。
一般的な借金やローンとは違って、利息の面でも毎月の返済額の面でもとてもありがたい条件です。
ただ先延ばしにするだけで、後から苦しくなるだけという意見もありますが
いま猶予してもらっても今後の毎月の返還額は変わりません。
なにより、普通の会社なら新卒1年目2年目より5年目、10年目と給与額は上がっていくことが一般的です。
ある調査では、大卒者の初任給は約21万円(年収約252万円)という情報もあります。
それが社会人5年目の平均年収では約30万円(約370万円)となっています。
この情報が100%正確とは言えませんが、そんなに実態と大きくはかけ離れてはいないと思います。
なにが言いたいのかというと
仮に新卒1年目の月収21万円から毎月約1万5千円を返還すると
月収の約7.1%を奨学金返還に充てるということです。
それが、社会人5年目の月額30万円から毎月1万5千円返還すると
月収の5%になります。
このように、収入が上がる見込みがあるなら先延ばしにするほど、余裕を持って返還することができます。
このような考えで僕は、返還期限猶予制度が利用できる間はギリギリまで利用して
その代わり、その間にたくさん自己投資をすることで稼ぐ力を身に付けようと考えています。
そして、稼ぐ力がついて余裕を持って返還出来るようになればすぐに返還開始をする予定です。
ここでは書きませんが、もう少し細かい返還計画もいつか記事にしようと思います。
数は少ないですが、返還期限猶予を説明する記事の中には「債務整理」や「自己破産」へ誘導するような記事も見当たります。
返還期限猶予を利用できる人は、「債務整理」や「自己破産」は考えずに、猶予制度を利用しましょう。
さいごに
僕は社会人4年目ですが、個人事業主をしていてまだ収入が低く、返還が厳しい状況なので
新卒社会人の皆さんの「猶予制度利用したところで完済できる気がしない」という気持ちはわかります。
それでも、コツコツ稼ぐ力を身に付けて奨学金を完済するまでを皆さんにシェアできると嬉しいです。
これからも何かためになる情報をお届けしたいと思うので、調べてほしいことがあればコメント下さい。
それではまたね。